CBA「裸のコンポジション」

[EXHIBITION]

2019.4.14 sun. - 6.30 sun.

cafe 104.5にて、CBAの新作個展「裸のコンポジション」を開催します。

 

日本人アーティストのCBA(シーバ)は、ミュージシャンやデザイナーしての活動を重ねたのち、2010年からは本格的に画家として活動を始め、アクリル絵具などの画材やファウンドマテリアルのコラージュを組み合わせた鮮やかな色彩と縦横自在の描線からなる抽象的なペインティングを制作しています。

 

この度の「裸のコンポジション」展では、CBAのペインティングを新作・旧作を交えて紹介します。展示の中心としてドローイングのみで制作した大型の新作を発表するとともに、これまでにCBAが行ってきた複数のキャンバスを組み合わせるインスタレーション的な手法のさらなる実験として、複数のキャンバスをミシンで縫い合わせた新作も紹介します。

 

みずみずしい躍動感に満ちたCBAの作品は即興的に描かれたライブペインティングのようにも見えますが、その背後には予め入念に組み立てられた色と線の構成(コンポジション)が隠されています。画面を彩る絵具のしぶきや撥ねや垂れ、そして、手の運動をありありと伝えるような描線や筆さばきといった個々のペインタリーな要素は、身体性に溢れたそのひとつひとつを豊かな間によって相互に結びつけるコンポジションに導かれています。CBAの作品の本質ともいえるこの動的なディティールと静的なコンポジションの二律的な共存は、完全な即興性と純粋な再現性のあいだにあるペインティングの可能性をかたちにしたものといえます。作家自身の身体と感覚と、絵具や画材といったもの自体のふるまい、そして、その両者をとりもち導くコンポジションという三者の協奏を捉えたペインティングは、作曲と即興のはざまで瞬間のグルーブを追い求めるジャズのような、緊張感と遊び心を併せもつ魅力に溢れています。

 

CBAの表現的で軽快な抽象的色彩は、サム・フランシスやヘレン・フランケンサーラ―のようなアメリカの抽象表現主義の第二世代の作家たちや、こうした歴史的な絵画の実践の再解釈から新たな表現を模索する 同時代の作家たちを彷彿とさせます。また、色面を縫うように走る緩急豊かな描線の運動に、書からタギングにまで至る古今東西の線の芸術に通底する美学を見出すこともできるでしょう。CBAはこの面と線、あるいは色と形というふたつの根源的な要素をひとつのイメージへと構成することで抽象的な絵画空間を創り出します。それは、遠近法による虚構としての具象的な絵画空間とも、イメージと支持体の一致に仮構された絵画の本質としての抽象的な絵画平面とも異なるところに、絵画に内在するロジックを探求する試みといえます。同時にそれは、美術においてはワリシー・カンディンスキーの『点線面』が、そしてデザインにおいてはアーミン・ホフマンの『Graphic Design Manual』が試みたコンポジションの徹底的な追求に、絵画のペインタリーな魅力の源である身体と物質の躍動的なフローを新たに導入する試みともいえるでしょう。

 

CBA の新作個展をお食事とともにどうぞゆっくりとお楽しみください。

(cafe104.5店内でご自由にご覧いただけます。貸切の日もございますのでスケジュールをご確認のうえご来店ください。)

 

<オープニング・レセプション>

2019年4月14日(日)19:00-21:00

会場cafe 104.5の通常営業と並行して、オープニング・レセプションを行います。

どなたでもご来場いただけますので、お気軽にお越しください。

 

CBA(シーバ)

1965 年大阪府出身。

書籍装幀、雑紙、広告等のグラフィックデザイナーを 20年以上経験後、コラージュ、ペインティング、ドローイング、映像制作を主とした画家としての活動を始める。 セッションベーシストしても多くの経験を持ち、CICADA, サーファーズオブロマンチカ、ZERO 等のライブやレコーディングに、映画『東京ゾンビ・浅野忠信主演』ではサントラレコーディングに参加。アカペラポリリズムユニット、ズビズバではイタリア現代音楽の祭典『ボローニャ音楽祭』に出演。映画東京ゾンビではレコーディングに音楽プロデューサー/二見裕志の下、KIRIHITO&GROUP の竹久圏、KUJUN らのミュー ジシャンと共に参加。最近では UPLINK FACTORY から発売された、映画『Rockers』の監督に寄る、フォトエッセイ『Rockers Diary』の書籍装丁等を手がけている。イラストレーター&ファッションブロガーの平松昭子とのユニット「Masshiva(マッシーバ)」としてサマーソニックのライブペインティング・セクションにも出演。

 

2010年11月より画家として活動を始め、2016年2017年と2年連続韓国釜山国際リサイクリングアート展に参加、2017年10月ロンドンEWAACにてコンテンポラリー部門奨励賞受賞歴がある。

近年の展示に、中原昌也、角田純、∈Y∋ 、五木田智央との五人展「絵画と音楽 Tableau and Music」 (2018, KOMAGOME 1-14cas,キュレーター:マジック・コバヤシ)がある。

 

INSTAGRAM:https://www.instagram.com/dmocba/