
瀬崎聡子「Signal – みえない形 音なき音 – 」
[EXHIBITION]
2018.1.29 mon. - 3.15 fri.
手の衝動からはじまり
描くことで
画面の向こうから発する
透明なシグナル
音や言葉になる以前の
かすかな信号との
終わりがない遊び
90年代後期に作家活動を開始した瀬崎聡子は、ペインティングを中心とした様々な実験を重ねながら、近年ではとりわけミニマルな線と色を用いた絵画を制作しています。
この度の「Signal -みえない形 音なき音- 」展では、瀬崎のモノクロームのペインティングのシリーズの中でも大型の作品となる新作を発表いたします。
キャンバスにアクリル絵の具、パステル、グラファイトクレヨンで描かれる瀬崎のペインティングは、モチーフとして何かを表わす形を一切持たず、殴り書きのような線も何かを意味する文字ではありません。そこにはただ、縦横に走り抜ける線の軌跡と、その運動に撹拌された単色の色彩というふたつの痕跡が、ひとつの平面に重ね合わされています。単純な方法の無数の実践からごくわずかに生み落とされる瀬崎の作品は、それが何であるか自分自身もわからないまま、その何かを微かな手がかりから描き出そうとする試みが捉えた、それぞれに固有の、形のないイメージといえるでしょう。
瀬崎の描線と色面はサイ・トゥオンブリーやマーク・ロスコなどの抽象表現主義を思い起こさせますが、それは形式の類似よりも、表しえないものを表そうとする試みの本質においてといえます。また、その試みは戦後日本の前衛書、とりわけ、言葉の向こうに「心線」を追求した比田井南谷が切り拓いた非文字の書にも通じています。定かな形を持たない何かを、線の緩急や律動、そしてそれが刻んだ時間とその周りに浮き彫りにされた空間によって表現しようとする瀬崎の作品は、こうした東西の試みの現代におけるひとつの交差点といえるでしょう。
cafe104.5のお食事とともに、どうぞごゆっくりと作品をお楽しみください。
瀬崎聡子(せざき・さとこ)
1966年 長崎県出身
1988年 武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業
1989年 武蔵野美術大学短期大学部専攻科美術専攻卒業
1991年 キゴマ3日間の展覧会 vol.3 / ギャラリーKIGOMA / 国立
1994年、1996、1998、2000年 瀬崎聡子展 / 画廊荘 / 国立
1999年 「境界」二人展 / HOKARI Fine Art Gallery / 青山
1999年 瀬崎聡子展 / かねこ・あーとギャラリー / 京橋
2001年 瀬崎聡子展 / かねこ・あーと2 / 京橋
2011年 瀬崎聡子展 / ギャラリーなつかb.p / 銀座
2016年 瀬崎聡子 展 -resonance- /MUSEE F /表参道
同時開催
安藤晶子「skirt」
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Opening Party 1.29 mon.
瀬崎聡子さん、安藤晶子さんの展示スタートを記念して、オープニングパーティを開催。瀬崎さん、安藤さんも来店されますので、作家との交流もぜひお楽しみください。
19:00-22:00
Admission Free(入場無料)
cafe104.5店内でご自由にご覧いただけます。貸切の日もございますのでスケジュールをご確認のうえご来店ください。